朝起きた時の枕元やシャンプーをした後の排水溝に溜まった髪の毛を見て自分は薄毛なのではないかと不安に襲われる瞬間は誰にでもありますが医学的な基準において抜け毛の本数がどの程度であれば正常範囲内でありどこからが注意すべき危険信号なのかを正しく理解している人は意外と少ないのが現状です。人間の髪の毛はヘアサイクルと呼ばれる一定の周期で生え変わっており成長期と退行期と休止期を繰り返しながら常に新しい髪へと更新され続けているため健康な頭皮状態の人であっても一日あたり平均して50本から100本程度の髪が自然に抜け落ちることは生理現象として全く問題のない正常な範囲とされています。特に季節の変わり目である秋口などはホルモンバランスの変化や夏の紫外線ダメージの影響で一時的に抜け毛が200本近くまで増えることもありますがこれも一過性のものであれば過度に心配する必要はありません。しかしながらこの基準値を大きく超えて一日に200本以上の抜け毛が長期間にわたって続いている場合や洗髪時に手に絡みつく髪の量が明らかに以前よりも増えていると感じる場合はヘアサイクルに何らかの異常が生じている可能性が高く薄毛の進行を疑うべきサインとなります。ここで重要になるのは単に抜けた髪の本数だけを数えるのではなくその抜けた髪の質を観察することでありもし抜け落ちた髪の毛が太くて長くしっかりと成長したものであればそれは寿命を全うして自然に抜けた休止期脱毛である可能性が高いですが逆に細くて短く成長途中で抜けたような未熟な髪の毛が多く混ざっている場合はAGAなどの影響でヘアサイクルの成長期が短縮され髪が太く育つ前に抜け落ちてしまう軟毛化現象が起きている証拠となります。また毛根部分を観察した際にマッチ棒のように丸く膨らんでいれば健康的ですが毛根が委縮して細くなっていたり白っぽい付着物がなく黒ずんでいたりする場合は栄養不足や血行不良などのトラブルを抱えている可能性を示唆しています。つまり薄毛の基準を判断する際には抜け毛の絶対数という量的な側面だけでなく抜けた髪の状態という質的な側面も合わせて総合的に評価することが不可欠であり日々の抜け毛チェックを通じて自分の髪からのSOSを早期に察知することが将来の髪を守るための第一歩となるのです。
抜け毛の本数から考える薄毛の境界線と正常値