ある日突然コインのような円形の脱毛斑が現れる円形脱毛症は誰にでも起こりうる身近な病気ですが実はその症状の現れ方にはいくつかの種類があり単発型で自然に治るものから全身の毛が抜けてしまう重篤なものまで多岐にわたるため正しい知識を持って冷静に対処することが何よりも大切です。最も一般的なのは十円玉くらいの大きさの脱毛斑が一箇所にできる単発型と呼ばれる種類でこれはストレスやアレルギーなどが引き金となって一時的に免疫機能に異常が生じ毛根が攻撃されることで起こりますが多くの場合数ヶ月から半年程度で自然に回復に向かいます。しかし脱毛斑が二箇所以上発生する多発型や複数の脱毛斑が結合して不定形に広がる多発融合型となると治療に時間がかかることが多く専門医によるステロイド外用薬や局所免疫療法といった適切な治療が必要となります。さらに重症化すると頭部全体の髪が抜け落ちる全頭型や眉毛やまつ毛体毛まで全て抜け落ちてしまう汎発型と呼ばれる種類に進行することもありこれらは自己免疫疾患としての側面が強く長期的な治療と精神的なケアが不可欠となります。かつては円形脱毛症の原因はストレスであると一元的に語られることが多かったのですが近年の研究では遺伝的要因やアトピー素因を持った人が何らかのきっかけで自己免疫反応を起こすことが主な原因であると考えられるようになっておりストレスはそのきっかけの一つに過ぎないという見方が主流となっています。私自身も仕事のプレッシャーがピークに達した時期に後頭部に五百円玉大の円形脱毛症を見つけた経験がありますが最初はショックで人目を避けるように生活していました。しかし皮膚科を受診し医師からこれは体が休息を求めているサインであり必ず治る病気だと説明を受けたことで気持ちが楽になり治療と並行してライフスタイルを見直す良い機会だと捉えることができるようになりました。回復の過程では最初に白い産毛が生えてきてそれが徐々に黒く太い毛に変わっていく様子を観察するのが日々の楽しみとなり半年後には美容師さんにも分からないくらい完全に元通りになりました。円形脱毛症は見た目のインパクトが強いためパニックになりがちですが種類に応じた適切な治療を行えば必ず出口はある病気ですので一人で抱え込まずに医療機関を頼り焦らずじっくりと体と向き合っていくことが回復への一番の近道であると確信しています。