薄毛を気にする高校生が、良かれと思ってやっているヘアケアが、実は症状を悪化させているケースは少なくありません。特に毎日の習慣であるシャンプーは、その方法一つで頭皮環境を大きく左右します。高価な育毛剤を試す前に、まずは基本となるシャンプーのやり方を見直すことが、薄毛改善への最短ルートかもしれません。多くの男子高校生がやりがちなのが、皮脂や汚れを落とそうと、爪を立ててゴシゴシと力強く洗うことです。これは絶対にやめてください。デリケートな頭皮は、爪で引っ掻かれることで細かい傷が無数につき、そこから雑菌が繁殖したり、炎症を起こしたりする原因になります。炎症を起こした頭皮は、健康な髪を育む土壌としては最悪のコンディションです。また、ワックスなどのスタイリング剤をしっかり落としたいという思いから、洗浄力の強い、いわゆる爽快感を謳ったシャンプーを選びがちです。しかし、これらのシャンプーは頭皮に必要な皮脂まで根こそぎ奪ってしまい、かえって皮脂の過剰分泌を招いたり、頭皮の乾燥を引き起こしたりします。乾燥した頭皮はフケやかゆみの原因となり、これもまた抜け毛につながる悪循環を生みます。では、正しいシャンプー術とはどのようなものでしょうか。まず、シャンプー剤は、アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分のものを選びましょう。そして、洗う前には必ずぬるま湯で髪と頭皮を十分に予洗いします。これだけで汚れの七割は落ちると言われています。シャンプーは手のひらでよく泡立ててから、髪ではなく頭皮につけていきます。洗う際は、指の腹を使い、頭皮全体を優しく揉み込むようにマッサージします。これにより血行が促進され、毛根に栄養が行き渡りやすくなります。そして、洗い以上に重要なのが「すすぎ」です。シャンプー剤が頭皮に残らないよう、時間をかけて念入りに洗い流してください。お風呂から上がったら、清潔なタオルで優しく水分を拭き取り、ドライヤーで根本からしっかり乾かします。この正しいシャンプーを毎日続けるだけで、頭皮環境は着実に改善し、強く健康な髪が育つ土台が整っていくはずです。