近年、多くの女性が髪の悩みを抱えています。その中でも特に増えているのが「びまん性脱毛症」です。これは男性に多いM字型やO字型の脱毛とは異なり、頭部全体の髪の毛が均等に薄くなるのが特徴です。特定の部位だけが薄くなるのではなく、分け目が広がったように見えたり、髪全体のボリュームが減って地肌が透けて見えやすくなったりします。一本一本の髪の毛が細く弱々しくなるため、全体的に髪の毛の密度が低下したように感じられます。抜け毛が増えるだけでなく、髪の成長期が短くなり、十分に育つ前に抜け落ちてしまうこともびまん性脱毛症の進行を加速させる要因となります。びまん性脱毛症の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。特に女性の場合、ホルモンバランスの乱れが大きく関係していると言われています。更年期に差し掛かる年齢になると女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少することで、髪の成長サイクルに悪影響を及ぼすことがあります。また、過度なストレスも原因の一つです。ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、頭皮の血行不良や栄養不足を招くことがあります。不規則な生活習慣や偏った食生活による栄養不足、無理なダイエットも髪の成長に必要な栄養素が不足し、脱毛を促進する可能性があります。さらに、過度なヘアケアや頭皮への刺激、特定の薬剤の使用なども引き金となるケースがあります。びまん性脱毛症の改善には、日々の丁寧なヘアケアと頭皮ケアが欠かせません。まず、シャンプー選びから見直しましょう。洗浄力が強すぎるシャンプーは頭皮に必要な皮脂まで洗い流し、乾燥や炎症を引き起こす可能性があります。アミノ酸系の洗浄成分が配合された、頭皮に優しい低刺激性のシャンプーを選ぶことをおすすめします。洗髪の際は、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎはぬるま湯で、シャンプーが残らないように丁寧に洗い流しましょう。次に、頭皮の保湿も重要です。乾燥は頭皮のバリア機能を低下させ、抜け毛の原因となることがあります。洗髪後や乾燥が気になる時には、育毛剤や頭皮用の美容液を塗布し、しっかりと保湿しましょう。有効成分が毛根に届くように、頭皮マッサージをしながら浸透させるのが効果的です。
女性の薄毛、びまん性脱毛症とは